睡眠時無呼吸症候群


子供の睡眠時無呼吸症候群扁桃肥大・アデノイド肥大による影響

扁桃肥大とアデノイド増殖が合併しているケースが多いです。そのため空気の通り道が狭くなり、鼻づまり・口呼吸・いびきがこり、重症化した場合は寝ている間に呼吸が一時的に止まる「睡眠時無呼吸症候群」が起こることもあります。お子さんの場合、寝起きの悪さ・日中の眠気、集中力の低下なども起こります。お子さんが風邪・アレルギー性鼻炎の場合、鼻づまり、口呼吸、いびきを起こすことはよくありますが、元の症状が改善してもいびきや口呼吸が続く場合は、扁桃肥大やアデノイド肥大の可能性があります。また、アデノイド肥大があると滲出性中耳炎や副鼻腔炎が治りにくくなります。

  • 検査

    視診や内視鏡検査(ファイバースコピー)にて扁桃肥大、アデノイド増殖を確認します。レントゲンでもアデノイドのサイズと息の通り道の広さは確認できます。

    ※おおよそ5歳くらいのお子さんから睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行うことができます。その結果をもとに扁桃肥大・アデノイド増殖の影響を確認し、詳しい検査や手術等が必要な方は総合病院に紹介します。
    小児の睡眠時無呼吸症候群の重症度の基準は大人とは違い、より厳しい基準に設定されています。
    AHI(1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数):1-5軽症
    AHI:5-10中等症
    AHI:10以上 重症

大人の睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、寝ている間に空気の通り道が狭くなり完全に呼吸が止まる(無呼吸)、または浅く/弱くなる(低呼吸)状態が繰り返し起こることで、日常生活にさまざまな影響を引き起こす病気です。
定義上、無呼吸と低呼吸は最低10秒持続することとされています。睡眠中、どの睡眠段階(浅い睡眠~深い睡眠)でも起こります。眠っている間に呼吸が止まると、睡眠中にも関わらず脳が起きた状態になる上に、身体に取り込まれる酸素の量が少なくなります。
その結果、十分な睡眠時間を確保していても脳と身体を十分に休息させることができなくなるのです。
睡眠時無呼吸症候群はどの年齢層でも認められますが、中年期と高齢期の間で有病率が増加すると言われています。また就床前にアルコールを摂取した後、体重増加した後に悪化することがあります。

症状

いびき、呼吸が止まっている
夜中に何度もトイレに起きる
日中の眠気:無呼吸状態から呼吸を再開するたびに本人は目が覚めた自覚はないのですが、脳が覚醒するため睡眠が分断され深い睡眠がとれていない状態になります。
日中の倦怠感・頭重感:呼吸が止まっている間は、酸素が足りない状態にあるため起床時に頭の重さを感じることがあります。

原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は主として空気の通り道である上気道が閉塞し、狭くなることにあります。気道を狭くする原因として以下のものがあげられます

扁桃肥大、アデノイド増殖
体重増加(特に顎・首周りの脂肪)
小顎(顎が小さい)
舌根沈下(舌の付け根が気道側へ落ち込んでいる)
舌が大きい
鼻の構造的な狭さ(鼻中隔の彎曲、アレルギー性鼻炎による鼻粘膜腫脹)

原因や症状によって治療法が異なりますので、適切な治療を行なうために、原因をきちんと調べることが大切です。

  • 睡眠時無呼吸症候群の合併症

    SASは、さまざまな生活習慣病の合併症を引き起こす可能性があると言われています。
    認知機能リスク  : 交通事故、集中力低下・記憶力低下、日中の眠気、生産性の低下
    心・血管系のリスク: 心血管障害、高血圧、糖尿病、心不全、不整脈、脳卒中

  • 睡眠時無呼吸症候群の検査

    睡眠ポリソムノグラフ検査には、「簡易検査」と「精密検査」の2種類があります。当院では、どちらの検査も入院することなく、ご自宅で行います。

    ≪簡易検査≫
    簡易検査の装置には、2種類のセンサーが付いています。

    1つは、鼻に付け、気流やいびき音から気道の狭窄や呼吸状態を調べます。
    もう1つは、手の指先に付けます。これはパルスオキシメーターといって、血液中の酸素濃度や脈拍を測定します。無呼吸になり酸素が取り込めなくなると、血液中の酸素濃度が下がり、脈拍が上昇します。

    簡単にできる検査ですので、睡眠時無呼吸症候群が心配な方に、まずお勧めする検査方法です。

  • ≪精密検査≫
    精密検査の装置は、簡易検査のセンサーに加え、脳波、胸部・腹部の呼吸の際の動きも記録します。多数のセンサーを付けますが、痛みはありません。ご自身で取り付けていただくので、やや複雑です。

    簡易検査では、主に呼吸の状態を調べますが、それに加え、睡眠の質を知ることができます。
    様々な情報を得ることができますが、やや複雑な方法ですので、簡易検査で異常があった場合や、重い睡眠時無呼吸症候群が疑われる方に行う検査方法です。
    自宅での測定が難しい方は入院で精密検査を行っている病院にご紹介いたします。

  • 睡眠時無呼吸症候群の治療

    経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway pressure:CPAP)
    AHIが20以上で日中の眠気などを認めるSASでは、CPAP療法が標準的治療です。
    CPAPは鼻にマスクを装着して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。CPAP療法を適切に行うことで睡眠中のいびきや無呼吸が減少し、症状の改善が期待できます。この治療法は一定の基準を満たせば、健康保険の適応となります。
    口腔内装置(マウスピース)
    下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。(取り扱っている歯科に紹介させていただきます)

    生活習慣の改善
    上記治療法にあわせて、肥満者では減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。
    そのほか、アルコールは筋肉を緩める作用があり、いびきや無呼吸を起こしやすくします。また、睡眠の質を悪化させる作用もあるので、晩酌は控える必要があります。